米軍人の死亡一時金(Death Gratuity)を解説|仕組み・受取人・支払いの流れ

いつも危険な仕事と隣合わせの米軍人。できれば考えたくない題材ですが、米軍ファミリーとして、理解しておかないといけないのも事実。

軍人が加入している軍人生命保険やSBPDICについては、このブログ内でもすでに説明しているのでご存知の方も多いと思いますが、この記事ではあまり知られていない、『米軍Death Gratuity(死亡一時金)』について、制度の全体像を整理して説明したいと思います。

るうママ

支給額・対象条件・受取人の決まり方から手続きの流れまで、知っておきたいポイントを記事にまとめました。

目次

米軍 Death Gratuityとは

Death Gratuityは、軍人が死亡した際にDoD(アメリカ国防総省)から遺族へ支払われる死亡一時金です。

軍人の死亡直後に発生する葬儀費用や住居費、当面の生活費など、早い段階で必要になる支出に備えるための資金として使えるように設計されています。遺族の生活を長期的に支えるものではなく、あくまで最初の経済的な負担を支えることに重点が置かれています。

特徴は次の3つ。

  1. 支給額:100,000ドル。階級や任務内容にかかわらず一律の金額です。
  2. 非課税:受け取った金額をそのまま使えます。※
  3. 支払いの速さ:「まず早く届ける」ことを前提に設計されており、書類の受領から通常72時間以内の支給を目指しています。

※ 米国では非課税ですが、日本での課税対象となるかは個別の状況によります。必ずお近くの税務署等へご相談ください。

SGLIとの違い

VA:Veterans Affairsが提供しているSGLI(Servicemembers’ Group Life Insurance:軍人団体生命保険)と混同されやすいですが、仕組みはまったく異なります。

SGLIは加入内容に応じて保険金が支払われる生命保険です。

一方、Death Gratuityは生命保険ではなく、条件を満たしていれば自動的に支給される制度上の一時金で、加入の有無は関係ありません。

支払いのタイミングもDeath Gratuityのほうが早く、同じ「死亡時の給付」でも役割は明確に分かれています。

米軍 Death Gratuityの支給条件

Death Gratuityは、以下の勤務状態にある軍人が死亡した場合に支給対象となります。

  • 現役勤務中(Active Duty)
  • 訓練目的の現役勤務中(Active Duty for Training)
  • 非現役訓練中(Inactive Duty for Training)
  • 現役を離れてから120日以内で、軍務に起因する理由での死亡

対象かどうか判断しにくい場合は、担当のCasualty Assistance Officer(死傷者支援担当官)や公式窓口に確認するのが確実です。

米軍 Death Gratuityの受取人と優先順位

受取人は、DD Form 93(緊急連絡先・各種給付の受取人を記録する書類)によって軍人が事前に指定します。1人だけでなく複数人を指定したり、割合を設定したりすることも可能です。

指定がない場合には、米軍連邦法に基づいた優先順位(配偶者→子→親など)で支払先が決まります。この順番は個別の希望で変わるものではないため、特定の相手に渡したい場合は必ず事前の指定が必要です。

また、DD Form 93で指定されていれば家族以外の人物が受け取ることも可能ですが、人数や割合の設定にはルールがあります。記載に不備があると意図どおりに支給されない場合もあるため、正確に記載しておくことが大切です。

DD Form 93は定期的に更新を

このDD Form 93は、軍人が負傷したり死亡したりした場合に、誰に連絡し、誰に手当を支払うかを決定する「軍人の意思」となる非常に重要な書類です。

しっかり更新されていないと、軍人に何かあった場合に家族への連絡手続きが遅れてしまったり、軍人本人の意向とは異なる相手に支払われる可能性もあります。

一般的には、以下のタイミングでの更新が推奨されています。

  • 入隊時・新しい勤務地への赴任時
  • 30日を超える一時勤務(TDY)の前
  • 派遣(Deployment)の前
  • PCS(転勤命令)の前
  • 結婚・離婚・子の誕生や養子縁組など、家族構成が変わったとき
  • 毎年、自身の誕生日前後など
るうママ

特にディプロイの場合には、所属先で前もってこのような書類の手続きをしているので必ず確認するようにすると良いです。

米軍 Death Gratuityの支払いと手続き

軍人の死亡が正式に確認されたあと、DD Form 397(Death Gratuity Payment請求書)の受領から原則72時間以内の支給を目指して手続きが進められます。

軍務に関する死亡の場合には、Casualty Assistance Officer(死傷者支援担当官)が配属されます。遺族がすべてを自分たちだけで進めるのではなく、担当者のサポートを受けながら書類を整えていく形が一般的です。必要な書類や確認事項は個別の事情によって変わることもあるため、実際には担当者の案内に従って進めるのが基本です。

なお、受取人指定の不備は手続きの遅れに直結します。制度の仕組みを理解することと同じくらい、DD Form 93の状態を定期的に整えておくことが大切です。

まとめ|米軍 Death Gratuityのポイント

項目内容
制度の位置づけ軍人死亡後の初期負担を支える一時金
支給額100,000ドル(非課税・一律)
支給対象Active Duty中など一定の勤務状態での死亡
支払い時期DD Form 397受領から原則72時間以内
受取人DD Form 93で指定、未指定は法令順(配偶者→子→親など)
SGLIとの違い保険ではなく制度による自動支給

Death Gratuityは、生命保険とは異なり「条件を満たせば自動で支給される制度」です。

るうママ

金額・対象・受取人・手続きの流れを理解したうえで、DD Form 93を最新の状態に保っておくことが、いざというときの備えになります。

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Death Gratuityの分かりやすい動画です!

Military OneSource:Death Gratuity

詳細は公式情報もあわせてご確認ください。

Defense Finance and Accounting Service(Death Gratuity公式ページ)
https://militarypay.defense.gov/benefits/death-gratuity/

免責事項(軍事・退役軍人関連):当サイトに掲載している軍事・退役軍人関連の情報は、一般的な情報提供を目的としたものであり、国防総省(DoD)、退役軍人省(VA)、TRICAREなどの公式機関による公式見解や指示を代替するものではありません。投稿時点で入手可能な情報をもとに、できるだけわかりやすく日本語で編集していますが、すべてのケースや例外を網羅することは困難です。制度や給付内容は、法令改正や地域、個々の状況によって異なる場合がありますので、必ず最新の公式情報をご確認ください。

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