こんにちは!アメリカで大家業を営む、るうママです。
この記事では「アメリカで家を買いたい!」という方のため、マイホーム購入方法を13ステップにまとめてみました。
\この記事で分かること/
- アメリカで家を買いたい
- マイホームの予算を知りたい
- 頭金がいくら必要か知りたい
- 物件購入の流れを知りたい
日本だとマイホームは一生に一度の大きな買い物というイメージがありますね。
実は、アメリカでは家族構成やスタイルに合わせて家を買い替える為、平均でも7〜10年程度に一度家を買い替えているという事実があります。日本の18年と比較すると短くなっています。
子供たちが巣立った後は、ダウンサイズして田舎で小さめのお家、売却利益は老後の生活費へ
このように、それぞれのライフスタイルに合わせて家を買い替えていくんです。
それでは、アメリカでマイホーム購入へ向けて学んでいきましょう!
マイホーム購入の13ステップ
- マイホーム購入への準備
- マイホームの予算額を知る
- 購入に必要な諸費用を貯金する
- 住宅ローンの仮審査を受ける
- 不動産エージェントを見つける
- 家探しを開始
- 買いたい家を見つけたらオファーを出す
- 住宅ローンの本審査をする
- 住宅の価値評価をする
- 建物検査をする
- 住宅保険の契約をする
- ファイナルウォークスルー
- クロージング
前後または、同時進行することがあります。
『ステップ8:住宅ローンの本審査』 〜 『ステップ11:住宅保険の契約をする』のステップは1. マイホーム購入への準備
マイホームを買うのは国が違っても同じ。
人生において大きなライフイベントですね。
大きな買い物なのでまずはその準備ができてるかが大切です!
安定した仕事&収入がある
なんと言っても一番大切なのがこれ!
安定した収入がありますか?
現金一括で購入する場合は例外ですが、ほとんどのみなさんは住宅ローンを組んで家を購入するはずです。
そのためには、安定した収入がないと住宅ローンを組む事が出来ません。
Lender(金融機関)はあなたに安定した収入があるか、返済能力があるかをまず審査します。
負債額がコントロールできている
金融機関はあなたに返済能力があるかDTI (Debt To Income Ratio)を計算し、そこから収入と負債の率を割り出して、融資しても大丈夫かどうか判断しています。
毎月の負債返済額総額 ÷ 月収(総支給額)
例) 月収5,000ドル、車ローン400ドル、学資ローン600ドルの場合
負債額トータル
400ドル + 600ドル = 1,000ドル
1,000ドル ÷ 5,000ドル = 0.2 (20%)
DTIは20%
上記の例の方は月収5,000ドルに対して、毎月の負債の返済額が1,000ドル、つまりDTIが20%になります。
どのようなローンを組む場合でも、DTI率が低いほどローンの幅が広がり審査が通りやすくなります。
一般的にはDTIが36%以下は返済能力が高いとみなされ、問題なくローンを組む事が可能です。
もしDTIが36%以上で高い場合には、まずは家計を整え負債を返済することが先になります。
マイホーム購入前までにこのDTIを下げられるよう努力してみましょう!
クレジットスコア
住宅ローンを組むのに大きな割合を取っているのがこクレジットスコア。
クレジットスコアとは『信用偏差値』の事で貸手の金融機関が融資をする際に必ず借りてのクレジットスコアをチェック。
大抵の金融機関は620点以上のクレジットスコアを要求します。
スコアが740点以上になれば利率のいい住宅ローンを組む事が可能なので、日頃からクレジットスコアを高く保つことが重要になってきます。
2. マイホームの予算額を知る
ZillowのHome Affordability Calculatorで収入や負債、その他必要事項を入力することで、あなたのDTIに見合った不動産購入価格を 確認できる自動計算機があります。ぜひ利用してみてください。
3. 購入に必要な諸費用を貯金する
頭金を貯める
ローンのタイプにより、用意する頭金の額が変わってきます。
基本は購入価格の20%を頭金として用意する必要があるよ!
頭金が20%以下の場合でもローンを組むことができますが、その場合にはPMI(住宅ローン保険)を支払う必要があるので、その分毎月の支払額が大きくなります。
PMI:Private Mortgage Insurance(住宅ローン保険)
借手が何らかの理由によりローン返済が不可能になった場合、貸手(金融機関)が損をしないよう保護するための保険
主なローンのタイプ
Conventional Loan (民間ローン)
別名Conforming Loan(一般ローン)。
アメリカの一般的な住宅ローンです。
FHAローン
Federal Housing Administration(連邦住宅局)住宅ローンはクレジットスコアが500点以上の方を対象に、少ない頭金で組む事ができます。
クレジットスコアが580点未満の場合には頭金を10%用意する必要がありますが、580以上であれば3.5%の少ない頭金でローンを組む事が可能になります。
VAローン
U.S. Department of Veterans Affairs(米国退役軍人省)の提供するVeterans Administration住宅ローン。
現役軍人、退役軍人、リザーブ軍人、ナショナルガード、また軍人の未亡人・戦争行方不明者の妻・戦争捕虜の妻(条件有り)は、ローンを組む資格があります。詳しい情報はVAのホームページで確認できます。
VAローンの最大の利点は頭金なし、さらにPMI(住宅ローン保険)を支払う必要もありません。その代わりVA Funding Fee(VAファンディング費)が掛かります。DisableベテランであればこのVAファンディング費は免除。
このVA Funding Feeは何回目の利用か頭金をいくら用意するかによって%が変動し、1.4%〜3.6%となっています。また、DisableベテランであればこのVA Funding Feeは免除になります。
メリットは、このVA Funding Feeをローンに組み込む事も可能なので、マイホーム購入の初期費用を最低限に抑えることが可能です。
クロージングコストを貯める
マイホームの購入に頭金を貯めるのはよく知られているのですが、クロージングコスト(不動産売買で発生する諸費用)がかかる事も頭に入れておかなければいけません。
クロージングコストはローンのタイプ等によりケースバイケースですが、一般的には住宅価格の約3〜6%だと言われているよ!
クロージングコストをローンに組み込める商品を扱っている融資機関もあります。
例)200,000ドルの家を購入する場合
$200,000 x 3%= $6,000
$200,000 x 6%= $12,000
クロージングコストは$6,000〜$12,000ドル必要になります。
クロージングコストを足していくと結構大きな額。
またLender(融資機関)によってもその金額が変わってくるので、余裕をもって用意しておくことをお勧めします。
4. 住宅ローンの仮審査を受ける
お金も貯めて、住みたい地域も決まり、いよいよマイホーム購入が現実味を帯びてきましたね!
ここからが、本気のマイホーム探しスタートです!
住宅ローンを組むのであれば融資機関に住宅ローンの仮審査(Pre -Approval)を受けます。
最低でも3つの金融機関から見積もりをとって、一番条件がよく自分に有利になる金融機関を選んでください。
手間は掛かりますが15〜30年の長期契約になるので、よりよい条件の融資機関を選ぶようにするといいです。
仮審査の際、融資機関はあなたの現在のクレジットスコアを調べます。
これはクレジットスコアによって住宅ローンの金利が変わってくるからです。
クレジットスコアを740点以上に保っていれば、いい金利条件でローンが組めますよ!
またこのPre-Approvalを受ける際に、ハードInquiryが発生しクレジットスコアに影響が出ますが、同じ期間内(役14日〜45日以内)であればクレジットスコアには短期的影響は出ないと言われています。
融資機関からの仮審査が通れば、いよいよマイホーム探しスタート!
このPre-Approval Letterには、融資可能額が書かれていますので、しっかり確認しておきましょう。
5. 不動産エージェントを見つける
不動産エージェントは、家探しから購入の手続きまですべてアシストしてくれる、あなた専属のコンシェルジュになります。特にセラーズマーケットの今は敏腕エージェントは大きな力になってくれる事でしょう!
知り合いにおすすめの不動産エージェントがいないか、まず聞いてみてください。
他にもZillowやRealtor、Trulia、REDFINなどの不動産アプリを使うと、家だけではなく不動産エージェントも同じように探すことができます。
レビューや口コミ、売買の実績なども見ることができますので、経験や知識、交渉力のあるエージェントを見つける事が鍵です。
6. 家探しを開始
Must Haveリストを作ってみる
マイホームの予算が分かったら、Must Haveリストを作ってみるといいですね。
これは不動産エージェントと家探しをする際、不動産エージェントがあなたに家を紹介する材料にもなります。
Must Have List
- 予算
- 立地
- 家の広さ
- 部屋数(Bed /Bath)
- 家のタイプ
(戸建て・集合住宅・アパートの一室・・・等) - レイアウト
(平家・2階建て・ガレージ付き・庭付き・地下室付き・プール付・ホームオフィス付き・・・等) - 学区
- 治安・地域属性(Neighborhood)
- 設備等(アメニティー)
なんだか想像しただけでワクワク、楽しくなってきましたね!
アメニティーが増えれば増えるほど、地域属性(Neighboorhood)が良ければ良いほど、不動産物件価格が上がりますので、ここは頭に入れていて下さいね。
不動産エージェントを通して見つける
不動産エージェントは、先に作ったあなたのMust Haveリストを参考に、 MLS(Multiple Listing Service)からあなたの好きそうな家をピックアップして探してくれます。
このMLSに公開されている情報を見れるのは不動産エージェント(リアルターとブローカー)の資格を持っている方のみです。
不動産サイト・アプリで見つける
先に紹介したZillowやRealtor、Trulia、REDFINなどの不動産サイト・アプリでも不動産情報を見つける事ができます。
アプリもだいぶ高性能になってはきていますが、少しタイムラグがありますので、気になる物件があれば、不動産エージェントに連絡をして物件がまだ市場にあるか確認してください。
不動産エージェントは、 Seller(売り手)のエージェントにHouse Tour(内見)のアポをとってくれますので、実際に目で見て確かめることをおススメします。
実際に物件を目で見てみると、初めに作ったMust Haveリストの見直しを余儀なくされます。Must Haveリストを全てクリア出来る物件を見つけるには、お金とタイミングが必要になってくるからです。
少しづつ調節しながら、自分の予算と理想に合ったマイホームを根気強く探してみましょう!
7. 買いたい家を見つけたらオファーを出す
買いたい家が見つかったら、不動産エージェントにオファーを出したいと伝えます。
不動産エージェントがPurchase Contract(購入希望契約書)を用意しますので、希望購入価格、希望クロージング日、条件等の必要事項を確認し、サインをしたらSeller(売り手)にオファーを入れます。
この時にEarnest Money(手付金)を支払い、売り手にあなたが本気で家を買いたいという意思表示を示します。問題なくクローズまで進むことができれば、この手付金はクロージングの際に頭金として差し引かれます。
参考
2024年の現在も、歴史的な低金利時代に購入したホームオーナーによる売り渋りと在庫不足のためSeller’s Market(売り手有利の市場)が続いています。
オファーを出しても他にも買い手が現れてマルチプルオファーになる状況が続いています。
中には現金バイヤーという強者も!
根気強く家を探すしかありません、覚悟して臨みましょう!
オファーの金額や購入条件に、Seller(売り手)とBuyer(買い手)の両者が合意であれば、売買契約手続きに入ります。
もし、両者が合意しない場合にはカウンターオファー(再交渉)が提示され、調整交渉になることもよくあることです。
$240,000で買いたい!
いや、$260,000!
うーん、、$250,000!
じゃあ、$255,000で売るよ!
最終的に、お互いの売買価格・条件で合意すると売買契約の手続きに入っていきます。
8. 住宅ローンの本審査をする
『ステップ8:住宅ローンの本審査』 〜 『ステップ11:住宅保険の契約をする』のステップは前後または、同時進行することがあります。
先に Pre-Approval(仮審査)が通っていても、融資機関はあなたに融資すべきか本審査をしてさらに詳しくあなたの返済能力を調べていきます。
ここで注意!
ローン審査が始まったら、大きな買い物や高額なお金の出し入れ等は避けてください
融資の本審査
あなたの条件に合ったベストな融資機関を選び、住宅ローンの申込み、本審査の手続きを開始します。
Pre-Approval(仮審査)で利用した融資機関にそのまま本申込みをしても良いし、新たに融資機関を探しても構いません。
最低3つの融資機関に見積もりを取って、自分の条件にあった融資機関を見つけてください。
年収に対する返済額の負担割合(DTI)、雇用形態、勤続年数、負債額、株や不動産などの資産も全て細かくチェックされます。
- 直近2ヶ月の給与明細
- 過去2年分のタックスリターン
- その他の収入の証明
- 直近2ヶ月の銀行口座の明細書 (金融機関によってはオンラインであなたの銀行と自動的にリンクすることもできます)
- 負債の詳細
- その他書類(融資機関がリクエストしてきます)
上記の書類をすぐに出せるように事前に準備しておくと早く進むよ!
私の場合は毎回グリーンカードのコピーを要求されます。
本審査の過程でその他の書類を要求してくる事がありますので、要求されたら出来るだけ早く応答するとクロージングまでスムーズに進むことができます。
金利レートと住宅ローン期間を選択&ロック
ローンオフィサーは最新の金利から、契約可能な住宅ローンのオプションを探し、いくつか用意してきます。
この中から自分たちにあったローンを選んでください。
住宅ローンの期間・ポイント前払いの有無等で金利レートが変わり、月々の支払額も変わります。
あなたの家計に合ったローンを選び最終的に金利レートをロック!
アメリカの住宅ローンの金利は毎日変動しています。金利レートをロックすると購入手続き完了日(クロージング)が1ヶ月後の場合であってもロックした当時の金利レートで確定します。
9. 物件のAppraisal(不動産査定)をする
『ステップ8:住宅ローンの本審査』 〜 『ステップ11:住宅保険の契約をする』のステップは前後または、同時進行することがあります。
融資機関は第三者であるAppraiser(住宅査定鑑定士)に物件のAppraisal(住宅査定)の依頼をします。
Appraisal(不動産査定)は同時期に売買された家の価格をデータベースに、公平かつ信頼性のあるレポートを作成し、不動産の適正市場価格(リセールバリュー)を割り出します。
融資機関はこのレポートをもとに、融資を出す不動産が的確な価格で取引されているかの判定基準にします。
査定価格と売出価格がマッチする場合
問題なく融資が下ります
査定価格が売出価格を上回る場合
問題なく融資が下ります、この場合購入と同時に含み益になるのでBuyer(買い手)のあなたにとってかなり良い買い物をしたことになります。
査定価格が売出価格よりも低い場合
この場合にはそのままの売出価格では融資は下りません。Seller(売り手)と再交渉し価格を下げてもらうか、足りない部分を現金で補います。
10. 建物検査をする
『ステップ8:住宅ローンの本審査』 〜 『ステップ11:住宅保険の契約をする』のステップは前後または、同時進行することがあります。
建物検査(Home Inspection)はオプションになりますが、必ずすることをオススメします。
不動産エージェントが信頼する免許を持ったインスペクターや、地域コミュニティのFacebookページ等でおすすめのインスペクターがいないか確認してみて下さい。
厳しいインスペクターの方が、購入後の住宅の欠陥問題も少なくなります。
また、建物検査に立ち会うことも可能なので、インスペクターと一緒にみて回るのもいいかと思います。
検査が終わると物件の構造、設備、状況をまとめたレポートが届きます。レポートを元にこのまま売買の手続きを続けるか、辞退するか決めましょう。
このまま売買を続ける場合には、Seller(売り手)にクロージングまでに修復もしくは、現状維持で価格値下げ交渉ができます。
11. 住宅保険の契約をする
『ステップ8:住宅ローンの本審査』 〜 『ステップ11:住宅保険の契約をする』のステップは前後または、同時進行することがあります。
クロージングの前にHomeowner’s Insurance(住宅保険)を契約する必要があります。
ここでも最低3つの保険会社に連絡を取り、あなたの希望と価格に見合った保険を選ぶと良いでしょう。
住宅保険が決まったら、融資機関にその見積書を送ります。
大抵の場合、住宅保険と固定資産税は12回に分割されて住宅ローンと一緒に融資機関へEscrowとして支払います。
12. ファイナルウォークスルー
クロージング・デイ(売買契約の締結日)に近づいてくると、直接物件へ出向きのファイナル・ウォークスルー(最終内見チェック)をします。
先に行ったInspection(住宅検査)で指摘され、交渉した箇所の修復がきちんとなされているか、掃除等が終わっているかなど、契約通りの状態になっているかを確認します。
この時に気になる箇所があれば、必ず伝えるようにしてください。
13. クロージング
クロージング・デイ(売買決済日)に近づくとClosing Disclosureが届きます。
この書類を見て、最終的に必要な現金が見えてきますが、クロージング・デイのギリギリまで調整が行われますので根気よく待ってください。
そして、いよいよ待ちに待ったクロージングの日!
タイトルカンパニー(権利調査や登録を請け負う会社)に出向き、分厚い不動産売買の書類にサインをしていきます。
全ての書類手続きが完了すると晴れて売買契約完了となり、あなたはホームオーナーとして、マイホームの鍵を手渡されます。
おめでとうございます!
これであなたも晴れてホームオーナー!!
クロージングの日までにガス・水道・電気等の契約も忘れずにしておきましょう!
まとめ
いかがだったでしょうか?以上がアメリカで家を買う基本的な流れになります。
やることがたくさんありすぎて目が回りそうですが、あなたの不動産エージェントが初めから最後までアシストしてくれるので、初めてでもスムーズに契約が可能です。
アメリカの不動産売買には売り手、買い手、不動産エージェントだけではなく、Inspector(不動産検査官)、Appraiser(住宅査定鑑定士)、Title Company(権利調査や登録を請け負う会社)、Lender(融資機関)、Escrow等、多くの関係者を巻き込んで取引を行うため、手続きが透明化され公平で安心して取引を終えることができます。
- 金融機関とまめに連絡を取り合いましょう
- 大きな買い物は避けましょう
- 大きな金額のお金の出し入れは避けましょう
- 手続きには時間も手間もかかるので辛抱が必要です。
この記事が少しでもお役に立てれば幸いです!
アメリカで初めて家を買う方におすすめの本はこちら
Disclaimer: 筆者はファイナンシャルアドバイザーではありません。本ブログの情報は、信頼性の高い情報源をもとに、筆者の個人的な見解や経験を交えて提供していますが、すべての状況に当てはまるものではありません。最終的な判断はご自身の責任で行っていただき、必要に応じて専門家へご相談ください。
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