Military Terminal Leave(ミリタリー・ターミナル・リーブ)は別名Transitional Leave(トランジショナル・リーブ)としてもよく知られていて、米軍として得られる最後の特権です。
この記事では、この米軍としてもらえる最後の特権、ターミナル・リーブについて学んでいきます。
\この記事で分かること/
- ターミナルリーブとは何か
- どれくらいもらえるのか
- ターミナルリーブ期間中はどのように過ごすのか

こんにちは、るうママです!
うちのパパのミリタリーリタイアがいよいよ近づいてきました。
その準備に向け配偶者の私も学ぶべきことが盛りだくさん。私が学んだことをシェアできたら良いなと思い記事を書いています。
誰かの助けになれば幸いです!
一緒にHAPPYリタイアメントへ向けて学んでいきましょう!
ターミナルリーブとは?
Terminal Leave(ターミナル・リーブ)とは、日本語では終身休暇にあたるものです。
一般的に除隊または退役により軍を離れる前、予定された退役日までの一定期間の休暇取ることができます。この有給休暇に入るともう軍務に戻ることはありません。
ターミナル・リーブとは通常の有給休暇(Ordinaly Leave)を貯めて、退役(または名誉除隊)の直前にまとめて休暇を取ることです。
※もちろんボスの許可が必要ですが、、
ターミナル・リーブという新たな有給休暇が発生するのではなく、貯めていた有給休暇をまとめて最後に使うという意味合いです。
有給休暇を貯めておくことで、Transition(移行)をスムーズにそして有益に行うことができるので、リタイアの近いサービスメンバーの多くは有給を貯めることに最大限の注意を払っています。
有給休暇は最高60日までに限り貯めることができます。
ここで例外として、コロナの影響によりFY2023年度末(2023年9月30日)までは特別に最大120日まで有給を貯めることができるようになっています。
Transition Administrative Absence / Permissive TDY
先に説明したターミナル・リーブの他にもTransition Administrative Absence (トランジション・アドミニストレーティブ・アブセンス)という有給休暇もあります。
別名Permissive Temporary Duty(パーミッシブ・テンポラリー・デューティー)と略してPermissive TDYまたはPTDYとも呼ばれています。
この有給休暇はサービスメンバーの家探しや職探しを助けるためにある休暇なので、ブランチによってはハウスハンティング・リーブや、ジョブハンティング・リーブとも呼んだりするようです。



ブランチで呼び方が変わるなんて(汗)
このTransition Administrative Absenseは無償で与えられる有給で、先に説明したターミナル・リーブを取る直前に取得し、2つの有給休暇を合わせて利用することが可能です。
国内(CONUS)で退役する場合には最大20日間
国外(OCONUS)から退役する場合には最大30日間
SkillBridge Program
SkillBridge Program(スキルブリッジ・プログラム)とは、除隊・退役前の最後の連続した180日の間に特定の産業訓練、見習い、インターンシップを通じて民間企業の職業経験が出来るプログラムです。
スキルブリッジ・プログラムはサービスメンバーが優位気で有益な仕事に就けるように、業界パートナーや実社会での職業経験と結びつける目的があります。
DOD SkillBridgeについての詳しい内容はこちらのオフィシャルサイトへ
ターミナルリーブ。使うか?売るか?



ミリタリー生活、最後の最後まで計画通りには進みません。。。
まとめて取ろうと計画的に貯めていた有給休暇も、軍の都合により取れないということもよくあります。
このような場合にはその使い切れなかった有給を兵役生涯のうち最高60日までに限り売却することが可能です。
使う
売ることもできるターミナルリーブですが、出来れば使ってしまった方がお得です。
理由として
- 売却したターミナルリーブには約20〜25%の連邦所得税がかかる(州によっては州所得税も)
- ターミナルリーブの間もBAH/OHA(住居手当)がもらえる
- BAS(食費手当)や、その他該当する手当等がもらえる
- 現役の間はTRICAREが保証されている
- 現役だと優遇される税金のベネフィットがある(州税免税など)
- クレジットカードの年会費が無料(Chase、Amex等)
売る
ミリタリーあるあるですが、ユニットによってはルールが厳しくターミナルリーブを使いたくても使えない場合も多くあります。
兵役生涯で換算して最高で60日まで有給を売却できる
兵役生涯といのうは兵役に服する全期間のこと。有給を売却した場合は、ターミナルリーブから差し引かれます。
例えばRe-EnlistmentやリザーブからActive Dutyへの切替、EnlistedからOfficerへの切替等の際に有給を売却してしまった場合には、この兵役生涯の60日から引かれてしまうので、ターミナルリーブを計算する場合にはご注意ください。



うちのパパも過去(20年前)に売却していた有給休暇があったようで、14日分の有給休暇が無駄に。コマンドのファイナンスとも何度も確認していたのに、結局は最後のアウトプロセスの手続きでこの事実が発覚。。。
20年前のことなんて覚えてないよ〜と残念がってました><
またここで注意しておきたいのが、有給休暇を売却すると連邦所得税がかかります。また所得税が掛かる州もあります。
ターミナルリーブの使い方
ターミナルリーブの使い方は人それぞれで、必ずこれをしなさいという決まりはありませんが、下記のような提案がされているので参考にしてみて下さい。
自分のために使う
これまで激ストレスで頑張ってきた米兵達。この有給を使ってストレスから解放された自由な時間をやっと過ごすことができます。
家族とのんびり過ごすもよし
旅行に行くのもよし
趣味に没頭するもよし
今までできなかった事をやってみるチャンスです。
20年以上の兵役のストレスから頭と体を休ませ、民間人としての移行をスムーズに行うことが何よりも大切です。



パパ長い間お疲れ様!ゆっくりしてね♡
家探し
リラックスも束の間、同時に退役後に住む家を探す必要があります。
退役後はどこに住みたいのか、家族でしっかり話し合い最後の引っ越しをしなくてはいけません。
ベテランはVAローン(ベテラン用の特別な住宅ローン)を使えるので、リタイア先が決まればこのVAローンを利用してマイホーム購入をするのもいいですね。
特に今のこのハウジングマーケットの中では賃貸にするにもマイホームを購入するにも、家探しから契約まで60日以上掛かるのはよくある事なので、できるだけ早めにハウスハンティングを始めることをおすすめします。
州、カウンティー、市によってはベテラン向けの自宅購入サポートや補助金を出しているところもあります。



ちなみに我が家がリタイアする州では住宅購入の際の頭金サポートが$14,999まで、さらにカウンティーと市からクロージングコストをそれぞれ$1,500、最高で$17,999の補助があります。
お得情報は『
Veteran Home Purchase Program (市、カウンティー、州)』などのキーワードを使ってリサーチしてみることをおすすめします!就活
ミリタリーから退役するのは若い人で38歳。
40代はまだまだ働き盛りなので退役後も仕事を続ける人がほとんどのようです。
これまでのキャリアをリセットして1から民間企業に勤めるのは大変。ターミナルリーブとPTDYの期間だけではなく、それよりももっと前から資格を取って準備をしたり、履歴書を書いたりと就活準備を進める必要があります。
先に少し説明したスキルブリッジを使って、インターンをする方も多いです。
VA Disabilityの申請
名誉除隊・退役のベテランの現役中の負傷や病を患った場合、または入隊前に持っていた持病の悪化があった場合で、兵役と因果関係があると認められるとVA Disability Benefit(ヴィーエー・ディサビリティー・ベネフィット)、日本語では障害年金(完全非課税)が保証されます。
退役前のTAPクラスでこの説明がされていますので、クラスには必ず参加して下さい。
VA Disabilityの申請は除隊・退役日の180日〜90日前までに行うとBenefits Delivery at Discharge (BDD) programと呼ばれる申請方法になり、名誉除隊・退役後に申請を始めるよりも、Disabilityが兵役との因果関係があると認められやすくなり、うまくいけば退役まもなく、または通常手続きよりも早めにVAレーティングがもらえ障害年金が受給できます。



VA Disabilityの手続きはかなりの時間と労力が必要。BDDプログラムはマストです!
VAクリニックや民間クリニックで、何度もDisabilityの検診が行われます。
特にVAのアポイトメントはリスケジュール出来る回数が1度だけと決まっているので、休暇中で融通の利きやすいこのターミナル・リーブを利用して手続きをすると効率が良いです。
VA Disabilityについてはかなり億が深くこの記事では入りきらないので、別記事にもう少し詳しく書いています。


まとめ
この記事では、この米軍としてもらえる最後の特権であるターミナル・リーブ(終身休暇)、そしてTransition Administrative Absenseについて学びました。
Terminal Leave
通常の有給休暇(Ordinaly Leave)を貯めて、退役(または名誉除隊)の直前にまとめて休暇を取ること。最大60日間*
*コロナの影響によりFY2023年度末(2023年9月30日)までは特別に最大120日まで有給を貯めることができる
Transition Administrative Absence(別名:Permissive TDY、PTDY)
国内(CONUS)で退役する場合には最大20日間
国外(OCONUS)から退役する場合には最大30日間
ターミナル・リーブとして計画的に有給取得ができる人、全部売ってしまう人、ターミナル・リーブと有給の売却を両方取る人、人それぞれ異なります。
ターミナル・リーブでは家族とゆっくりした時間を過ごすのはもちろん、家探しや就活にVA Disabilityの申請、リタイア後の健康保険(トライケアに歯科&眼科)の申請に生命保険の見直し加入などやることが意外に多いです。
そのため、前もって計画を立てることで軍人から民間人へのトランジッションがスムーズにおこなえることが理想的ですね。



この記事が誰かの助けになれば幸いです!Happy Retirement!
前: TSPって何?:アメリカ連邦職員&ミリタリーの確定拠出年金プラン
参考リンク:
SkillBridgeについて – DODSKILLBRIDGE
コメント(ニックネームで投稿)